量刑について深夜論議する

今午前2時なんですが、さっきまでNHK教育の
わくわく授業」なる番組で


「模擬裁判を体験しよう」


という特集を再放送してました。
…しっかり見てしまった…wいや、法学部の性というか…。


今回の事例、起訴状記載の罪名は強盗致傷でした。
この事例について大学生の扮する検察官と弁護士が
双方の意見を述べ、3つに絞られた量刑の中から、
小学生が自分が一番妥当だと思った量刑を下すという
形式でした。


量刑判断について講師の先生が言っていたのは、
「被告人のことを考えること」
「被害者のことを考えること」
「社会的にどうか考えること」
の3つでしたね。


で、この量刑判断が結構紛糾するんですよ。
被害者の怪我の状態やら被告人の家庭事情やら。
最終的には懲役5年(検察官の求刑通り)か
懲役3年執行猶予5年(弁護士の主張)か、という
議論になってました。


面白かったのは小学生が被告人の「黙秘権」について
疑問を持っていたこと。「それじゃ事実がわからないじゃん」
等々、もっともな意見が出てました。いや実際
学問上も問題になってるんですけどね。


結局まとまった結論までは至りませんでした。今回重要だったのは
「1つの考え方に凝り固まらないこと。途中で意見を変えても
恥ずかしいことではなく、妥当な結論を導くためにはどんどん
意見を変えて考える」
ことだったのでそれでよかったみたいです。
そういえば俺が大学に入ったとき、一番最初に言われたのが
「正解の無い世界へようこそ」でしたね。そもそも法律の解釈や量刑判断には
決まった答えはなく、自分が判例や学説、あるいは自説に基づいて考えて、
最終的に正しいと思ったことがそのまま答えなのだ、と。
この番組はまさにそのことを言いたかったんじゃないかと考えてしまいます。



いや〜、改めて刑事法学について考えましたね。兄貴も法学部(犯罪学)なので
深夜1時半にも拘らず大声で「裁判員制度の量刑のありかた」について
ふたりで討論しましたよ。いや、楽しかった(笑)


ところでさ、今回一番驚いたのは


今回量刑判断について考えたのが小学4年生


だったってことですよ。凄いですね、最近の小学生は(汗)
今回のことで刑法に興味を持ったなら、是非将来法学部で学んで
欲しいと思いますね。きっともっと楽しい(苦しい)世界が
今小学4年生の君達を待っていると思います。