そんがいほけんのはなし

来年から損害保険会社で働くにあたって、今色々と勉強中です。
とりあえず自分の復習も兼ねて、これからはたま〜にですが
損害保険のことについてこのブログで書いていきたいと思います。
(筆不精なのでいつまで続くか不安ですが…)


今日は損害保険の重要性とその仕組みについての話(復習)を
したいと思います。多分長くなりますので、ご注意を。

保険の重要性


日常生活において、僕らは様々なリスク(危険)を抱えています。
例えばあなたが朝登校する時のことを考えてみて下さい。
①電車が遅れて2限目の授業に間に合わなかった。
②履いていた靴の靴紐が解けて、転んで怪我をしてしまった。
③電車内で痴漢やスリにあってしまった。
④慌てて財布を落としてしまった。
⑤バイクで通学中に通行人をはねてしまった…。

等々、考えうるリスク(危険)を挙げればキリがありません。


こうした不測の事態は誰にでも起こりえます。しかもそれは
予測不可能です。では僕たちは不測の事態に対してどのように
対処すればよいのでしょうか。


対処方法は2つ。①リスクを軽減する(リスクマネジメント)
または②保険に加入して万が一に備える、の2つです。
(リスクマネジメントの例としては、消火設備の設置など)


つまり保険は、不測の事態に対処するために人々が考え出した『手段』
なのです。僕らは普段意識することはありませんが、保険があるからこそ
個人はリスクを恐れず活動し(自動車の運転がいい例ですね)、企業も
様々な事業を展開できるのです。加入者に何か不測の事態が起こった
とき、金銭的な部分、そして精神的な部分を支える力、それが保険なの
です。そういった意味では、保険は社会生活においてとても重要な
役割を果たしている、と言えるのではないでしょうか。

損害保険の基本的仕組み


さて、僕らは保険に加入する際、一体どれくらいのお金を払っているで
しょうか?まさか2000万円支払われる保険に2000万円の保険料を
支払っている人はいないと思います。生命保険のCMとかを見て、「月々わず
か2500円」
とか言っているのを聞いたことはありませんか?
そう、僕らが支払う保険料は、支払われるお金に比べてかなり安いんです。
ちなみに、国内旅行損害保険の場合、旅行代理店を通して支払うお金は
大体1000円程度です。でも、1000円払えば何かあった時に結構
なお金が保険金として支払われますよね。何ででしょう?まさか保険会
社がポケットマネーで足りない分を払っているのでしょうか?だとすれ
ば日本にはこんなに損害保険会社はありませんよね。だって損するばっ
かりですもん。


では、どうやって保険制度は成り立っているのでしょうか?火災保険を
例に挙げて説明したいと思います。


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前提条件:あるA市では、1000世帯1000人が生活している。
A市において、家1軒の値段は1000万円である。
そして、もし家が火災により全焼してしまった場合、支払われるべき
保険金の額は家1軒の金額と同じ1000万円である(実損填補)。
さらに、A市では全ての世帯が火災保険に加入している

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この前提をもとに、みんなが支払う保険料を考えてみましょう。
実はある統計によって、火災が発生する確率は1000軒に2軒
分かっています。つまり火災発生率は1000分の2です。
そうすると、支払いに必要な保険金の額は1000万円×2軒分
2000万円ということになります。
さて、2軒の人に保険金を支払うには、この2000万円を集め
なければいけません。そこで必要なのが、みんなから集めた保険
です。幸い、このA市では全ての人(1000人)が
保険に加入しています。必要なのは2000万円ですから、ひと
り当たり2万円を保険料として出してもらえれば足りるわけです。


もうお分かりの通り、この2万円こそがこの例題の
答えなのです。1000万円を2軒に支払うには、2万円ずつ保険
料を支払ってもらえばいいわけです。ほら、2万円で1000万円
の補償が受けられるでしょ。損害保険はこういう仕組みで成り立っ
ているんです(実際には保険金支払いに使う「純保険料」の上に
保険会社が運営していくための資金など「付加保険料」が加算され
て僕らが支払う「保険料」になります)。いわば保険は1000人の
『助け合い』によって成り立っているのです。


「じゃあ、残りの何事もなかった998軒の人たちは2万円払って
1円も返ってこないじゃないか!」というツッコミもあるでしょう。
確かに、そういう考え方もできます。ですが、こういう考え方はど
うでしょうか。
『僕らが2万円を支払う代わりに、保険会社が僕らに起こりうる
リスク(火災による損失)を肩代わりしてくれる』
と。
実際の保険法理論においてもそういう考え方がなされています。
法的に言うと、保険においては『危険の負担』が『保険料の対価』
となるのです。(そういった意味では保険契約は双務契約です)



こうして勉強してみると、保険制度って実に良く出来てるなぁと
感心してしまいます。誰かが不幸にも事故にあった時、他の誰かの
保険料が保険金として支払われる…。保険会社の説明会に参加
すると「保険や共済は『助け合い』の制度です。」って説明され
るけど、まさにその通りなんですよね。うむむぅ、奥が深い!


というわけで、長くなりましたが本日はここまで!
くっはぁ〜、疲れた〜…!次、いつ書けるかな…。